海外在住を続けていると、思っていた以上に苦労するのが、日常の健康管理ではないでしょうか。
日本の医療・健康保険制度は世界の中でも充実しているので、具合が悪いと、近くのクリニックや病院に行って診察を受けるのが当たり前と考えがちです。でも、海外では、想像以上に不便な思いをすることが多いのです。利用できる病院が限られていたり、医療費がかさんでしまったり。日本のようにすぐに薬を処方してくれるケースばかりではありません。
海外在住では、まずは病気にかからないようにしっかり予防するのが重要で、それには、飲み慣れている日本の薬を上手に活用するのがおすすめです。常備薬として何をそろえたらよいのでしょうか? 海外で購入することはできるのでしょうか? その疑問にお答えし、海外在住者にとってのおすすめの日本の薬を厳選してご紹介します。
目次
海外在住者にとっての常備薬とは
常備薬をそろえるのなら、日本で飲み慣れている一般的な市販薬の中から、「風邪薬(総合感冒薬)」、「痛み止め(解熱鎮痛剤)」、「胃腸薬(総合胃腸薬・整腸剤)」の3種類を手始めに準備することをおすすめします。
1. 風邪諸症状に《総合感冒薬》
滞在先によっては日本と環境が違って、気温や湿度が極端に異なる場合があります。体に大きな負担がかかったり、服装の調整がうまくいかなかったりして、体調を崩してしまうことも少なくありません。不規則な睡眠が原因で風邪をひくこともあります。そのような場合、鼻水、せき、発熱、のどの痛みなど、風邪の諸症状に効果が期待できる成分が複数含まれている総合感冒薬を用意しておくと安心です。初期症状であれば、風邪薬を飲むことで症状を軽く抑えることができます。
2. 発熱、頭痛や生理痛に《解熱鎮痛薬》
頭痛や腰痛、生理痛、その他足や腕などをひねったりして起こる様々な痛みを緩和してくれるのが、解熱鎮痛薬。発熱した場合、その解熱効果も期待できます。痛みがひどくならないうちに薬を飲めば、効果を発揮しやすいといわれています。少しでも異変を感じたら、早めに薬を飲みましょう。
3. 胃腸の不調に《総合胃腸薬》と《整腸剤・下痢止め》
海外在住で起こりがちなのが、食べ過ぎや飲み過ぎによる胃の不調です。レストランでも友人宅でも、提供される料理は日本に比べて量自体が多いですし、油っぽく濃厚な味付けが少なくないのではないでしょうか。せっかくの料理だからと頑張って食べてしまい、家に帰ったら具合が悪くなったという経験もあるでしょう。総合胃腸薬を常備しておくと、安心です。
普段あまり食べていないタイプの料理や飲み物が体に入ると、体が反応してお腹がゆるくなってしまうこともあります。そういう場合は、腸内細菌のバランスを整え、お腹の調子を改善する整腸剤が役に立ちます。ただし、吐き気や発熱などを伴う時は、感染症が原因となっている可能性もあるので、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
胃腸の調子が悪いと日常の行動が制限されて、一気に活力が落ちてしまうので、薬を上手に活用して生活リズムを安定させましょう。
日本の薬をおすすめする理由
1. 海外と日本の薬の違い
海外と日本の薬の違いは何でしょうか。海外には日本の薬と同じ成分の薬もありますが、日本で承認されていない成分の薬もたくさんあります。
たとえば、同じ成分の薬で代表的なのは、解熱鎮痛剤として使われるアスピリンや、新型コロナワクチン接種の副反応対策として知られるようになったアセトアミノフェンなどがあります。ただ、成分は同じでも1カプセル当たりの含有量が違います。一般的には、日本の薬より海外の方が、含有量が多いといわれています。
国によっては、薬局だけでなくコンビニやスーパーでも薬を販売しています。日本で市販されていない抗生物質が店頭に並んでいる国もあります。適切な治療が遅れることにもなるので、乱用は控えましょう。
サプリメントについても、薬と同様のことがいえます。たとえば、海外でビタミン剤として売られているものでも、日本では認められていない添加物を使用している場合があるので、購入や使用には注意が必要です。アメリカでは、日本よりも医薬品やサプリメントの販売規制が緩いので、小規模のドラッグストアであってもたくさんの種類が販売されています。十分考えてから購入するようにしてください。
2. 日本の薬は日本人の体にやさしい
というわけで、海外と日本の薬を比較したうえで、日本の薬をおすすめするには、いくつか理由があります。
ひとつには、「海外で買った薬は日本人には若干きつい」という声を、海外在住の方からしばしば聞くことがあります。成人であっても、小柄な高齢者には量が多すぎることもあって、通常の半分位にするなど調節している方も多いようです。
薬は非常に繊細な製品ですから、世界標準というのはなかなか難しいのでしょう。これまで使い慣れてきた馴染みのある日本の薬であれば、安心できますね。日本人のために作られたものだからこそ、体にやさしいのが特徴でもあります。
3. サイズや材質も日本人向き
健康な歯を保つために欠かせない、歯ブラシ1本を例にとっても、海外で自分に合う製品を探すのは容易ではありません。海外の製品は、日本のものに比べてサイズが大きかったり、材質が硬かったりして、品質面で満足できないという感想を持たれている方も多いのではないでしょうか。
海外でストレスのない快適な暮らしを送るため、日本のドラッグストアなどで購入できる製品がそろっているショッピングサイトを上手に利用してみてはいかがでしょうか。
日本の薬はショッピングサイトで買える!
1. 日本の薬を携行して持ち込む場合
これまでお話ししてきたような日本の薬については、海外に引っ越しなどする際に、まとめて買われたことがあったかもしれません。
一般的な常備薬は、国によっては持ち込める種類に規制を設けている場合がありますが、通常個人用として携行するのに問題はありません。ただし、大量に持ち込むと営利目的と疑われることがありますし、外箱やパッケージの記載がない薬は中身を疑われる可能性がありますので、注意しましょう。
2. 手持ちの日本の薬を使い切ったら……
長期間の海外在住者にとっては、持ち込んだ薬にも限界があり、使い切ってしまうことがありますね。日本に帰国した際に、またまとめ買いするという方もいるでしょう。
でも、帰国できない時にはどうしましょう。ショッピングサイトでも日本の薬が買えることはご存じでしたか? 種類も豊富ですので、おすすめですよ。
注意したいポイント
ショッピングサイトで日本の薬を購入する際の注意点などを挙げておきます。
1. 治療中の薬(処方箋薬)がある場合
日本で処方されている薬の種類は非常に多く、海外で日本の処方薬を入手することは困難です。現在治療中の疾患があり、定期的に服用している薬がある場合には、日本で主治医に英文の「薬剤証明書」を書いてもらうことをおすすめします。
「薬剤証明書」には、治療中の疾患名や薬(成分)の名称、1日当たりの内服量、処方した医師の署名などが記載されていて、海外で医療機関を受診する際にスムーズに話が進み、便利です。主治医に書いてもらえない場合には、近くの日本旅行医学会の認定医を探し、「お薬手帳」など現在服用している薬の内容がわかるものを持参して発行してもらうのがよいでしょう。
これとは別に、「薬の説明書(英文)」を一緒に持参していると、役に立ちますよ。「くすりのしおり」で薬名を検索し、英語版の説明書を無料でダウンロードすることが可能です。注文した日本の薬の到着を待っている間、現地のドラッグストアを利用する時などに活用してください。
2. 国によっては持ち込みが禁止されている薬もある
一般的に日本の薬を個人用として携行することは、普通は問題ありません。ただし、日本で治療に用いられる薬でも、国によっては持ち込みが禁止されている薬もあるので、注意が必要です。
注意したいのは、まず、向精神薬です。睡眠導入剤や抗不安薬などが該当します。疾患の治療のために服用している場合は、処方箋の写しなど医師の証明書を必ず持参しましょう。インスリンなどの注射器を使用している場合も、要注意です。
トラブルを未然に防ぐため、海外在住予定の在日外国公館で事前に確認するのがよいでしょう。外務省のHPを参考にしてください。
3. 海外に日本の薬が届くの?と不安に思う方へ
基本的に、日本郵便のEMS(国際スピード郵便)などで配達可能な国や地域には届けることができます。ただし、医薬品の類は、世界各国で管理が厳しい商品です。国によって規制が異なるため、日本から発送できない国もあります。事前に現地の法令や通関について確認したうえで、注文するようにしましょう。
海外在住者におすすめの日本の薬10選
まずは、最初の項で説明した常備薬についてご紹介します。
1. 風邪諸症状には《総合感冒薬》
用意しておきたいのは、鼻水、せき、発熱、のどの痛みなど、風邪の諸症状に効果が期待できる成分が複数含まれている総合感冒薬。初期症状のうちに対処して、症状を軽く抑えるようにしましょう。
・ルルアタックEX 12錠
1010円
・ベンザブロックL 30錠
2003円
・パブロンゴールドA微粒 44包
2750円
2. 発熱、頭痛や生理痛には《解熱鎮痛薬》
頭痛や腰痛、生理痛をはじめ、様々な痛みを緩和してくれる解熱鎮痛薬。解熱効果も期待できます。異変を感じたら、早めに薬を飲みましょう。
・ロキソニンS 12錠
620円
・イブA錠EX 40錠
916円
・バファリンA 20錠
608円
3. 胃の不調には《総合胃腸薬》
食べ過ぎや飲み過ぎによる胃もたれやむかつき、胃痛などの胃の不調には、総合胃腸薬を常備するのがおすすめです。水なしで飲めるタイプもあります。
・キャベジンコーワα 顆粒56包
2249円
・ガスター10 S錠 12錠
1477円
・太田胃散分包 48包
1600円
4. お腹の不調には《整腸剤・下痢止め》
お腹がゆるくなったり、逆に便秘が続いたりした時には、腸内細菌のバランスを整え、お腹の調子を改善する整腸剤が役に立ちます。
・新ビオフェルミンS 540錠
2980円
・ガスピタン 18錠小林製薬
842円
以上の常備薬の次にそろえておきたい薬を挙げます。
5. 鼻炎症状には《アレルギー薬》
ハウスダストやダニ、花粉などが原因で、鼻水やくしゃみなど突然起こるアレルギー性鼻炎症状に効果がある薬です。
・エバステルAL 12錠
1914円
・アルガード鼻すっきり洗浄液 100ml
842円
・アレジオン20 12錠エスエス製薬
1851円
6. 車や船酔いに《酔い止め薬》
道路の舗装が整っていない場合の車での移動や、フェリーなど船による移動では、吐き気やめまいなど乗り物酔いに悩まされることがよくあります。そうした際に備えておきたいのが、酔い止め薬。普段乗り物酔いをしない方も、持っていると安心です。
・トラベルミン(ファミリー用)6錠
766円
・アネロン「ニスキャップ」6カプセル
795円
・センパアQT 6錠
608円
7. 眠れない場合には《睡眠改善薬》
海外でのストレスもあって、寝つきが悪くなったという方もおられるでしょう。睡眠不足のままでは体力が持ちません。睡眠改善薬を備えておくとよいでしょう。花粉症などのアレルギー症状の改善にも使用されている抗ヒスタミン剤中心なので、普段飲み慣れていないという方でも安心して使えます。
・ドリエルEX 6カプセル
2057円
・スリーピン 6カプセル
1384円
8. すり傷には《化膿止め(塗り薬)》
たいしたことはないと考えがちのすり傷ですが、早め早めの対処で、傷を悪化させないように注意しましょう。化膿止めの塗り薬はぜひ手元に置いておきたいですね。貼るだけで傷がきれいに治るパッドも重宝します。
・ドルマイシン軟膏 12g
935円
・テラマイシン軟膏 6g
701円
・クイックパッド(ふつうサイズ)
700円
9. その他に用意しておくと安心なものをご紹介します。
☆つらい肩こりや腰痛に張り薬
第一三共ヘルスケア ロキソニンSテープ 7枚
916円
☆ヒビやあかぎれ・しもやけを治すクリーム
ユースキンA120g
1364円
☆ものもらいや結膜炎、目のかゆみ対策に目薬
参天製薬 サンテ抗菌新目薬 12ml
842円
大正製薬 アイリスガードP 15ml
1122円
☆ドライアイを修復するコンタクト用目薬
スマイルメディカルA・DXコンタクト 15ml
950円
☆肌荒れや口内炎にはビタミン剤
ビタミンCタケダ 300錠
3460円
チョコラBBプラス250錠
3768円
☆歯周病や虫歯を予防するために良質な歯ブラシなど
デンタルプロ ブラックダイヤ 超極細毛 レギュラー かため
289円
⇒デンタルプロ ブラックダイヤ 超極細毛 レギュラー かためはこちら
やわらか歯間ブラシSS~M 40本入
626円
☆疲労回復には、血行を促進してくれる入浴剤
百寿薬湯(入浴剤)
2300円
☆デトックス効果やぽかぽか体が温まる和漢植物ブレンドのハーブティー
漢美健茶 すっきり
1080円
漢美健茶 あったか
1080円
まとめ
以上、海外在住者が常備しておきたいおすすめの日本の薬について説明してきました。 日本の薬をおすすめする理由や海外のショッピングサイトでも日本の薬を購入できることがおわかりになったと思います。
おすすめの日本の薬は、症状別に厳選してご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
風邪薬(総合感冒薬)、痛み止め(解熱鎮痛剤)、胃腸薬(総合胃腸薬・整腸剤)の3種の常備薬は必須ですね。ほかにも、持っていると安心できるおすすめの日本の薬をご紹介しましたので、チェックしてみてくださいね。また、いくつか注意したいポイントも挙げておきましたので併せてお読みください。
おすすめの日本の薬を上手に活用して、さらにいきいきした海外在住生活を送っていきましょう。
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