クイズの答え
ファミコン、メガドライブと並んでいるこのレトロゲーム機の名前、正解は…
「PCエンジン」
1980年代は、日本のホビーメーカーたちが家庭用ゲーム機で競っていた家庭用ゲーム機戦国時代と言っても過言ではない時代でした。
一般的には、任天堂の「ファミリーコンピュータ」こと「ファミコン」が爆発的に流行し、その人気は、2020年代となった今の時代で、ゲームに詳しくない人でも家庭用ゲーム機といえばファミコンという認識が広まっているほどでした。
現代でも、ファミコンはレトロゲームの代表として愛されています。
当時の現れては消えゆく家庭用ゲーム機たちの中で、ファミコン以外にも未だに一部からは根強い支持を集めているレトロゲーム機が、セガの「メガドライブ」とハドソン(現:コナミ)の「PCエンジン」です。
今回は、そんな1980年代のレトロゲーム機事情や、隠れた名機として未だ愛されるPCエンジンの魅力を解説していきます。
昨今人気が再燃してきているレトロゲーム界隈で、一味違ったレトロゲームに手を出してみたい方こそ、注目です。
1980年代のレトロゲーム事情
1980年代は、どのホビーメーカーも家庭用ゲーム機を作って競い合う家庭用ゲーム機戦国時代。1980年前半は、その中で任天堂の「ファミコン」が覇権を握ることになります。
今春アニメ映画にもなる、あの名作スーパーマリオシリーズが人気を博したこともあり、他のホビーメーカーたちは任天堂を超えることを目標に開発を続けますが、やはりファミコンの勢いに勝つのは厳しいものがありました。
しかし、1980年代が後半になると、当時8bitが主流だったパソコンのスペックに革新が起こります。当時ではハイスペックマシンとして扱われる16bitのパソコンが登場したことが、家庭用ゲーム機界隈にも大きな影響を与えました。
日本の家電メーカーの重鎮シャープがホビーパソコンとして開発した「X68000」は、当時ゲームセンターでしか遊べなかったゲームを移植し、家でも遊べるようにしました。
当時のゲーマーたちは家庭用ゲーム機に対する新時代の到来にワクワクしていましたが、16bitのマシンは当時では、400,000円(日本価格)ほどという高級品。一般家庭ではなかなか手を出すことができない価格から、すぐに普及はしませんでした。
そういった背景もあり、8bitのマシンがすぐに廃れることはなく、まだまだ家庭用ゲーム機業界は8bitのマシンが粘り続けます。8bitの性能をフルに活かした「PCエンジン」と「メガドライブ」の前身となる「セガ・マスターシステム」が生まれたのも、技術革新が起こったこのタイミングでした。
特にPCエンジンは、8bitの家庭用ゲーム機最高傑作と評価するレトロゲームファンも多く、当時も16bitマシンに決して引けを取らない名機と評価されました。
PCエンジンとは?
PCエンジンは、ハドソン(現:コナミ)とNEC(日本電気株式会社)の共同開発で1987年10月30日にリリースされた家庭用ゲーム機です。アメリカでは、日本でのリリースから2年遅れて1989年にリリース。「TurboGrafx-16」という名前で販売されていました。
当時の家庭用ゲーム機のゲームソフトは、ファミコンを始めとしてカセットが主流となっていましたが、PCエンジンはROMカード型の「HuCARD」を採用。他ゲーム機よりもかなりコンパクトなソフトが特徴的です。
PCエンジンは、8bitマシンでありながら、当時のゲーム機の中でハードウェア性能の高さが評価され、タイトーやアイレム、ナムコなどの大手人気メーカーがPCエンジンの市場へと続々と進出。リリースして間もない頃から魅力的なゲームソフトが多くあったことも、PCエンジン人気の一因となりました。
特に、PCエンジンはアーケードゲームの移植に強みがあったため、アーケードゲームブームとなっていた当時の日本のゲーマーの心を掴むのはそう難しくはありませんでした。
2PCエンジンのラインナップ
PCエンジン本体は、下記のバリエーションがあります。
【PCエンジン】
【PC-KD863G】
【PCエンジンシャトル】
【PCエンジンコアグラフィックス】
【PCエンジンスーパーグラフィックス】
【PCエンジンGT】
【PCエンジンコアグラフィックスII】
【PCエンジンDuo】
【PCエンジンLT(ラップトップ)】
【PCエンジンDuo-R】
【レーザーアクティブ】
【PCエンジンDuo-RX】
【PCエンジンmini】
上記から特に人気や話題のあったPCエンジンDuoを抜粋してご紹介します。
・PCエンジンDuo
1991年にリリースされたPCエンジンの後継機。
1990年代の家庭用ゲーム機は、CD-ROMを用いたゲーム機が台頭してくる時代で、PCエンジンDuoは今や世界的に有名となったソニーの「プレイステーション」よりもいち早くCD-ROMを採用したゲーム機としてリリースされました。
本体のデザインも、日本の通産産業省(現:経済産業省)のグッドデザイン賞も受賞したほどです。
PCエンジンDuoは元々、HuCARDとCD-ROMの両方が使えるという点が最大の特徴でしたが、価格が非常にネックとなっていましたが、後のマイナーチェンジ機であるPCエンジンDuo-Rとなるにあたって端子が削除されたことでコスト大きく下げることに成功。価格が下がったことで普及も促進されました。
なんと、ソニーがプレイステーションや任天堂がスーパーファミコン用のディスクを用いたゲーム機を開発するきっかけとなったとも言われているようです。
今の家庭用ゲーム史に大きな影響を与えた機体と言っても良いかもしれません。
ファミコン・メガドライブとの比較
PCエンジンが当時競っていたファミコンとメガドライブ。
それぞれの特徴と比較しながら、PCエンジンのスペックを見ていきましょう。
・ファミコン
ファミコン 本体まず、PCエンジンが生まれた背景に、ハドソン自身がファミコンのスペックへの不満があったと言われています。そのため、初代PCエンジンとファミコンを比較すると、PCエンジンの方にスペックは軍配が上がります。
しかし、1990年にはファミコンは16bit機のスーパーファミコンへと移行。
PCエンジンは、家庭用ゲーム機トップシェアの任天堂ですら16bitマシンへと移行したにも関わらず、8bitマシンで勝負を挑み続けました。
PCエンジンの元々のスペックの高さと、8bitで戦い続けるというハドソン・NEC双方の情熱が伺えますね。
もっと細かいところを見ていくと、PCエンジンの処理速度は、スーパーファミコンにすら匹敵するとも言われました。
メガドライブは、セガ・マスターシステムの後継機で、16bitマシンです。PCエンジン同様アーケードゲームの移植が盛んで、アーケードゲームの家庭版といえばPCエンジンと人気を二分していたとも言えるでしょう。
よく同じゲームの移植版が相互でリリースされることが多く、レトロゲームファンの間でもグラフィック、音楽面でどちらが良いか議論されることがあるほどです。
現代では、PCエンジンの方が8bitマシンにも関わらず、出力できる色の数が多く、グラフィックがきれいだという評価があるようです。
PCエンジンの総評
8bitマシンでありながら、16bitマシンの競合たちとやり合い、人気を集めていたPCエンジンは、まさしく時代を先取りしていたと言えるでしょう。
そんなPCエンジンは、次世代機PC-EXへバトンタッチし、1999年に最後のソフトをリリースした後、12年に渡るソフト展開を終了しました。
1980~1990年代の家庭用ゲーム機の歴史に名前を刻むにふさわしい名機であったことは間違いありません
PCエンジンの入手方法
実に40年近く前のレトロゲームということもあり、現物を探すのは一見難しいように思えますが、通販サイトを活用すれば案外かんたんに手に入ります。
レトロゲームのため、最近のテレビでは端子の規格が合わなかったりして、すぐに遊べないということもあります。
事前に自分の家のテレビの規格などをしっかりと調査し、合わせて必要な端子も買うようにしましょう。
PCエンジンを遊ぶ上で、まず最初に買って間違いのない名作ソフトをご紹介します。
・スナッチャー
1988年にコナミから発売されたアドベンチャーゲーム。
「メタルギアシリーズ」や「DEATH STRANDING」で世界的に有名な小島秀夫が当時関わっていた名作です。
サイバーパンクな舞台で、アドベンチャーゲーム特有の単純なコマンド選択の他、謎解き、ガンシューティングといった独自の要素が魅力的なポイントです。
・悪魔城ドラキュラX 血の輪廻
1993年にコナミから発売されたアクションゲーム。
横スクロールアクションゲームの元祖とも言えるシリーズの新作として、当時ではCD-ROMであることを最大限に生かしたグラフィックと音楽、アニメーションやキャラクターボイスといった要素が話題となりました。
・イース
1987年日本ファルコムから発売されたARPG(アクションロールプレイングゲーム)。
現代でも新作が出続けるほどの人気タイトルの元祖を、PCエンジンでプレイしてみるのはいかがでしょうか。
・天外魔境II 卍MARU
1992年にハドソンから発売されたRPG。
「天外魔境シリーズ」の二作目で、後年、2003年にニンテンドーゲームキューブとプレイステーション2、2006年にニンテンドーDSなど、多くのゲームハードでリメイクされたPCエンジンの名作RPGの一角を担います。
1作目となる「天外魔境 ZIRIA」もPCエンジンでリリースされているので、PCエンジンでRPGを楽しみたいときにおすすめです。
エメラルドドラゴン
1994年、NECから発売されたRPG。
開発元はグローディアで、初めはPCシリーズ向けフロッピーディスクでリリースされた移植版です。
当時はRPGというジャンルながらもアニメチックで美麗なアニメーションやグラフィックが評価され、21世紀となった今でも根強いファンが多い作品です。
90年代のノスタルジックな雰囲気に浸ってみたい方におすすめ。
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