食卓を彩る名脇役
漬物や佃煮は、日本の食文化を象徴する伝統的な保存食品であり、長い歴史の中で育まれてきた知恵と味わいが詰まっています。どちらもご飯のお供や箸休め、お酒のあてなどとして親しまれており、日常の食卓から特別な場まで、食事に彩りを添え幅広く活躍しています。
漬物は野菜や果物を塩、酢、味噌、糠(ぬか)などの調味料や発酵技術を使って漬け込むことで作られる保存食品です。白菜の漬物やたくあんなどが代表的で、地域ごとに個性的な漬物文化が発展しています。塩や酢の効いた味わいが、濃い味付けの料理や油っぽい料理の合間に口をさっぱりさせてくれるため、箸休めとして重宝されます。また、発酵食品であるため、乳酸菌などの体に良い成分を含み、腸内環境を整える効果も期待できます。そして漬物は保存食としての役割だけでなく、日本の四季を感じさせる料理としても親しまれています。季節の野菜を使った漬物は、その時々の風味を楽しむことができ、まさに日本の食文化の一端を担う存在です。
佃煮は、もともとは江戸時代、東京湾の近くの「佃島」で生まれた食品で、漁で余った魚を保存するために工夫されたのが始まりとされています。主に小魚・貝類・海藻・野菜などの食材を醤油や砂糖、みりんなどで甘辛く煮詰めて作られる保存食品です。昆布やアサリの佃煮、シラスやイワシの佃煮など、濃厚な味わいが少量でもご飯を引き立てる特徴を持っています。その濃い味付けから長期保存が可能でありながら、ご飯のお供やお弁当の一品としても適しており、特に忙しい日々に簡単に栄養と満足感を得られる食品です。また、日本酒や焼酎のつまみとしても愛され、味わい深い甘辛さが飲み物の風味を引き立てます。
シーンごとに変わる呼び名
「ご飯のお供」「箸休め」「お酒のつまみ」と、日本ではシーンごとに呼び名が違います。それぞれ日本の家庭や飲食の場で欠かせない存在であり、どれも食の楽しみを広げ、食事の場を豊かにする要素として大切にされています。
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ご飯のお供
「ご飯のお供」は、その名の通りご飯と一緒に食べると相性の良い料理や食品を指します。おかずとしてではなく、少量でご飯を引き立てる味わい深いものが多く、佃煮、明太子、梅干し、海苔などが代表的です。お供が一品あるだけで、ご飯の美味しさが際立ち、食事全体の満足感が増します。
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箸休め
「箸休め」は、主菜や濃い味付けの料理の合間に食べることで、口の中をさっぱりさせる役割を持つ小皿料理や漬物を指します。酢の物や浅漬け、ナスの煮びたしなどが典型的で、食事のリズムを整え、味のバランスを保ちながら食べ進められる工夫が込められています。箸休めを楽しむことで、全体の料理がより美味しく感じられます。
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お酒のつまみ
「お酒のつまみ」は、アルコールと一緒に楽しむための料理やお菓子を指します。お酒の種類によって合わせる食べ物が異なるのも日本文化の特徴で、日本酒には刺身や漬物、焼酎には塩辛や干物など、それぞれの風味を引き立てる組み合わせが好まれます。軽く味わいながら会話を楽しむ場で提供されることも多く、特に和食の世界では「肴(さかな)」とも呼ばれ親しまれています。
アレンジレシピ
漬物や佃煮などは、勿論そのままでも美味しく食べられますが、もっと食を楽しみたいという方へ、海外でも簡単に作れるアレンジレシピをご紹介いたします!
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らっきょうでタルタルソース
フィッシュ&チップスなど揚げ物のソースとしておススメです。
[材料]
● らっきょう:70g
● ゆでたまご:1個
● マヨネーズ:1/2カップ
● 漬物つけ液:大さじ1
● 胡椒:お好みで少々
● パセリ:お好み少々
[作り方]
①らっきょう・ゆでたまごは、好みの大きさにみじん切りにしておく。
②全ての材料を混ぜ合わせたら完成です。
※たくあん、しば漬け などで代用しても美味しいソースができます。
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おつまみ節&クリームチーズの和え物
出汁としても使用される鰹節ですが、和風でまろやかな味わいのおつまみにも変身します。今回は食べ応えのある肉厚の鰹節での一品です。どうぞ日本酒と一緒に味わってみてください。
[材料]
● クリームチーズ:70g
● おつまみ節:お好みで好きなだけ
● 万能ネギ(小口切り):適量
● 醤油:少々(小さじ1くらい)
[作り方]
①全ての材料を軽く混ぜ合わせたら完成です。
※通常の鰹節で代用しても美味しい和え物ができます。
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昆布の佃煮で肉そぼろ
ご飯の上に乗せたり、サラダのトッピングとしてもおススメです。
出典:cookpad / レンジで簡単♪鶏そぼろ/昆布の佃煮料理
[材料]
鶏ひき肉:200g
昆布の佃煮:30g
☆ 料理酒:大さじ1
☆ みりん:大さじ1
☆ 砂糖:大さじ1
☆ 醤油:大さじ1
調理油:小さじ1
万能ねぎ:お好み
[作り方]
① フライパンに油をなじませたら鶏ひき肉を入れ、弱火~中火でほぐすようにかき混ぜる。
② 鶏ひき肉の色が変わり始めたら☆と昆布の佃煮を入れ、フレーク状になるよう混ぜながら水分が無くなるくらいまで煮詰める。
③ 火が通ったら器へ盛り付け、お好みで万能ねぎをトッピングして完成。
※②では弱めの火で焦げ付かないよう注意しながら煮詰めてください。
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梅干しと鶏肉の春巻き
簡単に出来る和風テイストのアジアン料理!パーティーでの一品にいかがでしょうか。もし大葉が手に入る場合は、具材(☆)に追加するとよりサッパリとした風味を楽しめます。
[材料]
春巻きの皮:10枚
☆ 鶏肉(お好みの部位):400g
☆ 梅干し(甘くないもの):3個分
☆ チーズ:100g
〇 塩・コショウ:少々
〇 料理酒(日本酒などの醸造酒でも可):大さじ3
△ 水:大さじ1
△ 片栗粉or小麦粉:大さじ1
揚げ物用油:適量
[作り方]
① 梅干しは種を取り包丁で叩いてペースト状にしておく。
② 鶏肉の準備をする
鶏肉を10等分に切り分け、〇を入れたボウルへ切り分けた鶏肉を入れ、軽くもんで下味をつけておく。
(5~10分置いておく)
③ △を混ぜ合わせてのりを作る。
④ 春巻きを巻く
手前に角が来るように春巻きの皮を1枚置き、
中央より少し手前に☆を置いて巻き、△を巻き終わりの端につけ開かないようにくっつける。
● 手前、左、右の順に畳んだ後、手前から奥へ転がすと綺麗に包めます。
● チーズを一番内側になるよう入れると油で揚げた際に爆発しずらいです。
⑤ 油で春巻きを揚げる
180℃で5分ほど、きつね色になるまで揚げる。
揚がったらキッチンペーパーの上に置き余分な脂を落として完成です。
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