本書は、社会貢献のために書いたものです。絶歌の出版に関し、多くの批判が出ましたが、少年法の壁により少年Aの情報が限られる中、絶歌は少年Aの心理を伺い知るにはこれ以上ない材料だと思っています。絶歌をただ批判するのではなく、きちんと分析することによって、なぜあのような事件が起きてしまったのか、少年Aの心理状態はどうだったのか、どうすれば彼のようなモンスターを出さずに済むのか、大人はどう関わるべきか等、可能な限り一般の方にも分かるように解説したつもりです。 　本書が二度とあのような事件を起こさないための一助となれば幸いです。
　　　　　目次
はじめに 　
生育史 　
バタフライ・イヤー 　
カメラ・アイ 　
IQ 　
ロールシャッハテスト
第1章 　精神医学的考察 　
発達障害の可能性 　
統合失調症の可能性 　
統合失調症型パーソナリティ障害 　
解離性障害 　
素行障害 　
性的サディズム障害 　
性的マゾヒズム障害 　
診断のまとめ
第2章 　心理学的考察 　
肛門性格 　
劣等コンプレックス 　
サイコパス 　
アイデンティティの拡散 　
喪の作業の失敗 　
射精痛 　
心理発達のまとめ
第3章 　未来に向けて 　
介入のポイント 　
治療法 　
感情の萌芽 　
開けてはいけないパンドラの箱　 　
コラージュの解釈 　
なぜ絶歌を執筆したのか？
あとがき