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≪花に≫の厳しい美しさ、≪夫婦善哉≫のユーモアと情愛の機微、≪おらほのみどり≫の唱歌をかけがえのない美しい世界へと昇華させた世界観。いずれも、極めてノーマルな人間性を持った国枝さんだからこそ生み出せた美しさである。もちろん、鋭敏なリズム感、響きに対する非凡なセンス、そして言葉とドラマに対する比類ない感性がその背景にはある。バッハやモーツァルトを始めとするすぐれた作品に出合うと「作曲家って何て凄いんだ! 」と思う。畏友・国枝春恵さんもまた、僕の心から敬愛する作曲家である。(文:國土潤一)
アーティストについて
国枝春恵(作曲家):東京生まれ。4歳より桐朋学園「子供のための音楽教室」において、ピアノとソルフェージュを習い始める。1981年東京芸術大学作曲家卒業。1983年同大学院音楽研究科作曲専攻修了。作曲を池内友次郎、野田暉行、宍戸睦郎、オリバー・ナッセン各氏に師事。ピアノを、有賀和子、鷹取淑子各氏に師事。1980年神奈川県芸術祭第4回音楽コンクール第1位。1982年第33回ヴィオッティ国際音楽コンクール差曲部門特別賞。作品は、国際現代音楽協会アジア作曲家同盟香港大会、オーストラリア大会、イスラエル大会、アジア音楽祭仙台、タングルウッド現代音楽祭、国際現代音楽協会「世界の音楽の日々」ルクセンブルク、スウェーデン大会等で演奏されている。また合唱曲やピアノ曲等、出版されている作品も多い。2003年文化庁特別派遣在外研究員。2005年N響ミュージック・トゥモロー委嘱作品「地上の平和は、2009年スウェーデンで再演されている。現在、熊本大学教育学部教授、日本現代音楽協会、21世紀音楽の会会員
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