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詳細説明
選曲がとてもいい。ロドリーゴの「コンチェルト・セレナータ」、ピエルネの「ハープ小協奏曲」、ともに、20世紀に作曲されながら、19世紀風のロマンチシズムへのノスタルジーを強く呼び起こす、珍しくも聴き応ごたえある作品を竹松が意欲的に取り上げた。「コンチェルト・セレナータ」は、第1楽章ではまるでプーランク風のしゃれた管楽器との掛け合いなど、モダニズムのパリからイベリア半島への視線を感じさせる曲。第3楽章でのスペイン舞曲に施されたなんともエキゾチックな装飾的和声を、きらきらとはじけるように撒き散らすところなど、竹松のチャーミングな感覚が発揮されている。「ハープ小協奏曲」は、知名度は高くないが、こんなに濃厚なロマンチシズムに彩られた、パリ風の憂愁に満ちた作品があったのかと思うような、うっとりするような名曲。未聴の方にはぜひともおすすめである。短い曲なのに、グランド・オペラのように構えが大きいオーケストラのなかで、楚々として、しかも大胆にふるまう竹松のハープは、いっそう自在に、夢幻の空間を優雅に舞う。飯森範親と日本フィルのバックも美しい。雰囲気は豊かだが若干オフ気味の録音なので、ヴォリュームを大きくして楽しんだほうが、竹松のハープのニュアンスは聴き取りやすいだろう。（林田直樹）
メディア掲載レビューほか
ハーピスト、竹松舞の日本フィルハーモニー交響楽団との共演による、横浜みなとみらいホールでの2001年録音盤。 (C)RS
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