司馬遼太郎の作品の中でも週刊朝日に25年にわたって連載された「街道をゆく」は特別な作品でしょう。司馬さんが「街道」を歩きながら、思索を広げていく。紀行文のようであり、小説のようでもあり、歴史の考察があり、日本や日本人、世界の文明論も展開されていく。その「原点」を見つめる週刊朝日ムックが「司馬遼太郎『街道』の原点」（B5判変型、268ページ）です。「司馬遼太郎の現在地」「司馬遼太郎と鎌倉」など、週刊朝日ムックの司馬遼太郎シリーズは累計111万部を突破する人気シリーズです。
今回のムックでも「街道をゆく」の最後の担当者・村井重俊記者が作品世界を歩き、司馬作品の世界を撮り続けてきた小林修カメラマンの写真をオールカラーで満載しています。
今回歩いた「街道」は、「北のまほろば」「佐渡のみち」「阿波紀行」「肥前の諸街道」「南伊予・西土佐の道」。1983年に発行された「ガイド 街道をゆく近畿編」に司馬さんが寄せた文章「私にとっての旅」を全文収録したほか、「壱岐・対馬」「種子島」「アラン島」「木曜島」など作品に登場する「島」を「司馬遼太郎の島々」として特集しています。このほか、2024年2月に開催された第27回菜の花忌「『街道をゆく』―過去から未来へ」の詳録なども掲載した完全保存版です。