大野麦風先生代表作、大日本魚類画「アマゴ」京都版画院版です。
版上擦り込みサイン・マージン部位に「版元　京都版画院」朱印。
サイズ　41×28.5cm
制作者　大野麦風（おおのばくふう）
洋画家。東京生。名は要蔵。白馬会・太平洋画会に学ぶ。兵庫県に住した。昭和51年(1976)歿、87才。
大野麥風：洋画家。東京生。名は要蔵。白馬会・太平洋画会に学ぶ。兵庫県に住した。昭和51年(1976)歿、87才。有名なのは『大日本魚類画集』（昭和１２年から１９年まで６期に分け発行　５００部限定）で、全７２セットといわれています。
『大日本魚類画集』は昭和十年代に部数限定＆解説つきで毎月一枚ずつ販売された。当初は水族館で魚を観察していたが、やがて水族館では飽き足らず、和歌浦沖で潜水艇に乗り、魚の生態を観察し、細部にまでこだわった作品を作り上げました。
鱗の模様などを細やかに描写するとともに、生息環境をも正確に描き出した。海水魚だけではなくドジョウやメダカといった川魚も、色鮮やかに生き生きと描写した。
2010年に姫路市立美術館でそのすべてが公開されたのが初めてで、2013年に東京ステーションギャラリーで公開された。驚くことは「原色木版二百度手摺（てす）り」と、この木版画集のうたい文句があるように、２００回も重ねて摺って１枚が完成するという手法だ。一般的な浮世絵なら１０回ほどだからいかに特異であったかがわかる。それは彫師や摺（すり）師ら優秀な職人がいたからこそ可能となった。