お雑煮とは
お雑煮(おぞうに)は、日本の伝統的な料理で、新年を祝う正月料理の一つです。特に正月の朝食として食べられることが一般的で、地域や家庭によって味や具材が異なります。お雑煮には、もち(餅)が必ず使われ、その他の具材や調理方法が日本各地で多様性を持つ点が特徴的です。また、正月には料理だけでなく食器にもこだわる家庭が多く、蓋つきの椀や漆器を使用することで、お雑煮をより特別なものとして楽しむ文化も見られます。これらの要素が合わさり、お雑煮は日本の正月を象徴する一品となっているのです。
縁起の良い食材
餅
お雑煮に必ず入っている餅は、粘りが強い事から長寿や家族の結びつきを象徴ています。また地域によって、四角い切り餅や丸餅と使用される餅の形にも特徴があります。
鶏肉
「鳥が天に向かって飛ぶ」姿から、鶏肉は運気が上昇する象徴とされています。
鰤(ブリ)
日本では成長の度合いで呼び名が変わるため出世魚と呼ばれています。そのため成功や昇進の願いが込められます。
紅白かまぼこ
紅白の色は、赤は魔除け、白は清浄を意味しており縁起が良いとされています。紅白色のかまぼこも、そういった意味合いで縁起が良く日の出をイメージさせる形状がお正月にぴったりです。
大根と人参
長細い根菜は長寿や健康を願う意味があります。そして紅白かまぼこと同じ理由で、大根の白色は清らかさを象徴し、人参の紅色は魔除けとなるため縁起が良く、祝い事にふさわしいとされています。
ほうれん草、小松菜、水菜などの青菜
緑色は生命力や健康を表し、家族の繁栄を願います。
椎茸
傘の形が「喜びが広がる」という意味を持ちます。
里芋
子芋がたくさん付くことから、「子孫繁栄」の象徴とされています。
柚子
「融通が効く」という語呂合わせや、香りで邪気を払う効果を期待して皮を添えます。
三つ葉
お雑煮の種類
日本全国で多様性に富んでいるお雑煮は、地元の食材や風土がその味に反映されるため、具材だけでなくスープの味付けも様々で、100種類以上あるとも言われています。今回はその中でも、関東と関西のお雑煮に注目して、それぞれの特徴と簡単に作れるレシピをご紹介します。
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関東風(すまし汁ベース)
特徴:透明なだし汁を使用したすまし汁が基本。
具材:鶏肉、かまぼこ、小松菜、人参、大根など。
餅:焼いた切り餅を使用。
だし:鰹節や昆布のだし。
[食材(2人分)]
餅:2個
鶏もも肉:50g
人参:30g
大根:30g
水:400ml
料理酒:小さじ2
顆粒だし:小さじ1/2
薄口しょうゆ:小さじ1
塩:少々
[作り方]
① 大根・人参は1cmほどの輪切りにし、鶏肉は一口大にカットし酒をかけておく。
② 鍋に水・顆粒だし・大根・人参・鶏肉を入れ火にかける。
③ 沸いてきたら醤油を入れ味を調え5分ほどアクを取りながら中火で煮る。
④ トースターまたはフライパンで餅を焼く。
・トースター:天板にアルミホイルを敷き、7分ほど焼いた後すぐに出さず1分ほど予熱で中心部まで温める。
・フライパン:少量の油をひき、片面4分ずつ焼く。(餅が膨らんできたら焼き上がりの合図。)
⑤ 汁椀に餅を入れ、煮ていた具材とスープを注ぎ入れ完成。
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関西風(白味噌ベース)
特徴:白味噌を使った甘みのある汁が特徴。
具材:大根、里芋、人参などが定番。
餅:焼かずに煮た丸餅を使用。
だし:昆布だしを使う家庭が多い。
[食材(2人分)]
餅:2個
人参:30g
大根:30g
里芋(ジャガイモでも可):2個
水:400ml
料理酒:小さじ2
顆粒だし:小さじ1/2
白みそ:大さじ2
[作り方]
①大根・人参は1cmほどの輪切りに、里芋は皮を剥き塩をも見込みヌメリを取り水で洗い流す。
②水を入れた鍋に先ほどの野菜と顆粒だしを入れ柔らかくなるまで中火で煮込む。
③具材に火が通って柔らかくなったら、火を消し白みそを溶かし入れる。
④汁椀に餅を入れ沸騰したお湯を注ぎ入れ、餅を柔らかくする。※別鍋で餅を茹でてもOK
⑤汁椀に餅を入れ(茹でた湯は入れない)、煮ていた具材とスープを注ぎ入れ完成。
※人参・大根は型抜きを使って綺麗に整えると綺麗です。
※お好みで最後に三つ葉や柚子の皮を真ん中に浮かべると香りも楽しめます。
関東と関西だけでもこんなに違うお雑煮。日本各地には他にも個性豊かなお雑煮が沢山あります。例えば、あごだし(トビウオのだし)を使ったり、納豆を入れるユニークな雑煮などもあります。ぜひこの機会に、縁起の良い食材を使ったお好みの雑煮にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
餅レシピ3選
お正月の定番として親しまれる餅ですが、その魅力は日常の食卓でも楽しめます。シンプルな味わいとモチモチの食感は、和洋を問わず様々な料理に活用可能なので、手軽な軽食からボリューム満点の一品まで、アレンジ次第で新たな美味しさが広がります。こちらでは、そんな餅を使った簡単で美味しいレシピをご紹介します。
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磯辺焼き
砂糖と醤油を煮絡める、甘じょっぱいお餅のおやつです。(出典:簡単!フライパンで出来る磯辺焼き レシピ・作り方、ほんのり甘い砂糖醤油でいただく"餅の磯辺焼き")
[食材]
餅:5個
海苔:5枚
★砂糖:大さじ5
★醤油:大さじ4
油:大さじ1
[作り方]
①砂糖と醤油を混ぜ合わせておく。
②海苔は餅を巻けるサイズに切っておく。
③中火で熱したフライパンに油をひき、餅を入れる。
④焼き色がついたら裏返し、蓋をして弱火で加熱する。
⑤柔らかくなってきたら、★を入れ煮絡める。(弱火のまま)
⑥味がなじんで来たら海苔を餅に巻き、皿に盛り付けて完成。
※油の代わりにバターを使ったり、チーズを挟むのもおススメです。
・お餅のパンケーキ
いつもと一味違うモチモチのパンケーキです。(出典:餅の力!?膨らむホットケーキ)
[食材]
餅:1個
卵:1個
牛乳:150ml
パンケーキMIX:200g
油:適量
[作り方]
① 耐熱容器へ4~8等分に切った餅と牛乳を入れ、ラップをかけ1000Wで2分30秒(600Wだと4分)ほど、牛乳が溢れないよう様子を見ながらレンジで温める。(餅が溶けていなければ10~20秒ずつ追加で加熱する)
② よくかき混ぜ餅を完全に溶かし、粗熱が取れたら卵を入れかき混ぜる。
③ 卵と牛乳が混ざったらパンケーキMIXを数回に分け混ぜ入れる。(少しダマが残る程度でOK混ぜすぎないよう注意)
④ 温めたフライパンに油をしき、生地を落とし入れる。
⑤ プライパンに蓋をし弱火で3分ほど焼き、ひっくり返しまた蓋をする。両面焼け中まで火が通ったら皿に盛り付けて完成。
※牛乳をアーモンドミルクや豆乳に変えても美味しくお召し上がりいただけます。
・チョコレート餅
チョコレートの風味とモチモチ触感を一度に楽しめる一品です。(出典:切り餅で簡単 チョコもち)
[食材]
餅:3個
牛乳:60ml
チョコレート:100g
ココアパウダー:10g
[作り方]
① 耐熱容器へ4~8等分に切った餅と牛乳を入れ、ラップをかけ1000Wで1分10秒(600Wだと2分)ほど、牛乳が溢れないよう様子を見ながらレンジで温める。(餅が溶けていなければ10~20秒ずつ追加で加熱する)
② チョコレートを①に割入れ溶けるまでよく混ぜる。
③ 作業台にラップを敷きその上にココアパウダーを薄く広げ②を乗せる。
④ ココアパウダーをまぶして厚さ2cmほどに形成し粗熱を取る。
⑤ 粗熱が取れたら冷蔵庫で30分ほど冷やす。
⑥ 食べる前に一口大に切り分け、器に盛り付けたら完成。
餅を召し上がる際の注意点
餅は日本文化の象徴的な食材ですが、粘り気が強く、しっかり噛まないと喉に詰まるリスクがある食材でもあります。特にお子様・ご高齢の方が食される場合には、下記のポイントに注意してお召し上がりください。
[安全に餅を楽しむためのポイント]
- なるべく一人で食べない(誰かがそばに居る環境で食べる)
- 餅を食べる前には、お茶や汁物などで喉を潤わせておく
- 小さく切り、食べやすい大きさにしてから口に運ぶ
- ゆっくりと、よく噛んでから飲み込む
[応急対処法]
万が一餅が喉に詰まった場合には、窒息の危険があるため直ちに対処する必要があります。
①立つか座らせた姿勢でうつむかせ、左右の肩甲骨の中間あたりを強く叩く(出るまで叩き続ける)
②背後から腹部に手を回し、拳の親指側をヘソの少し上にあてもう一方の手で拳を包むように握り、素早く手前上方に引き上げる。
※②の方法は妊婦や乳児には行ってはいけません。
※声が出ない・咳が出来ない場合は窒息している可能性が高いです。
※意識が無い場合や、応急対処を行っても餅が出てこない場合は、救急車を呼び、心肺蘇生を行ってください。
餅はそんなに危険な食材なのかと驚かせてしまったかと思いますが、餅以外にも魚の骨やナッツ、こんにゃくゼリーなど注意が必要な食品はありますよね。どれもポイントを押さえれば安心して食せる食材ばかりです。リスクを理解しておくことで、安心して餅の美味しさと文化的な価値をお楽しみいただければと存じます。
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2025年も、どうぞよいお年をお迎えください!