お米は日本ではポピュラーな食品で、海外では馴染みがない地域が多いかと思います。
日本では主食という固有の概念を持っており、一汁三菜という食文化に大きく密接しています。世界的に言うならば、日常的に多く消費する穀物が、日本で言う主食にあたります。
主食になりうるのは、その地域でよく取れる穀物。アメリカであれば、イモが生産しやすいのでイモ類、アジア圏では雨が振りやすく水が多いので米、北の気温が低い場所に近いヨーロッパ圏は小麦、のようにそれぞれで消費量が多い穀物に環境や気候の違いがよく出ています。
中でも日本の米は、昨今の世界的な和食ブームに合わせて注目が集まっていますが、実は世界中の米の消費量を見てみると、日本は15番目ほどです。スタンダードな米のイメージ=日本の米というわけではなく、日本でスタンダードな米は「ジャポニカ米」と呼ばれます。
世界中に流通する米の9割は、アジア圏での生産。それらは「インディカ米」と呼ばれて、世界的なスタンダードとなっている米はこちらです。
今回はジャポニカ米とインディカ米それぞれのお米の違いと、ジャポニカ米の魅力について解説していきます。
ジャポニカ米の特徴
ジャポニカ米が和食に主に使われる日本の米と呼ばれるお米です。縦長の円に近い形をしています。
炊くと膨らんでふわふわしているのが特徴。噛むと粘り気と甘みがあるのが、日本人好みで、愛されています。
ジャポニカ米自体に香りはあまりついていないことから、他の食品と合わせて食べるという日本の食文化を決定づけたと言っても過言ではなく、主食とおかず、一汁三菜という和食のスタンダードとなっていきました。
ジャポニカ米は冷めても風味が落ちにくいため、和食の代表であるおにぎり、寿司、弁当といった作って少し時間を置くことがあるタイプの料理が日本国内で発展し、定番化していった理由とも言われています。
日本で稲作が始まったのは、約3000年ぐらい前の縄文時代までさかのぼります。日本人は遺伝子レベルでジャポニカ米の味が刻まれていると言っても良いでしょう。
ちなみに、日本のお米を探したことがある人でコシヒカリやななつぼしという名前がついているのを見たことはありませんか?
これらはジャポニカ米の品種の名前を指しており、粘りや味など、それぞれ特徴が異なっています。自分好みのジャポニカ米を探し、愛用するのが、日本人の食文化です。
インディカ米の特徴
インディカ米は、世界中でスタンダードとされている米です。
ジャポニカ米と比べると細長く、茶色がかっていることが多いです。
炊くとパラパラしていて、粘り気も少なめ。独特な香りがついているため、パエリヤやチャーハンのような米そのものにしっかりと味付けをする料理や、カレーのような味がとても濃いものと組み合わせて食べるのが主流になっています。
ちなみに、日本で長粒米やタイ米と呼ばれるお米は、インディカ米です。
ジャポニカ米は、釜や鍋に水を加えて強火で蒸して炊きますが、インディカ米は、お湯で茹でて炊きます。ジャポニカ米の調理では、日本の米炊きにはない、湯取りという工程があります。お湯で茹でたお米をザルに取り、水を切ります。その後はまた鍋に戻し、加熱することでインディカ米のさっぱり感が生まれます。
インディカ米の中には、ジャスミン米という最高級な品種もあり、世界中で大人気のお米です。
実際どちらがおいしい?
どちらがおいしいかは、食文化や料理によってそれぞれではありますが、日本においては圧倒的にジャポニカ米がおいしいと言われます。和食がジャポニカ米の持つ独特な甘みを計算に入れた調理法・味付けをしているため、日本人がジャポニカ米のほうがおいしいと感じるのは当然と言えるでしょう。和食ブームの影響で、日本国内にもジャポニカ米のほうが好きと言う人も増えてきています。
そのため、日本国内ではインディカ米はおいしくないという風潮がありますが、それは調理法や食べるシチュエーションが適していないためです。
インディカ米は、ジャポニカ米とは異なるエスニックな味がすることから、適した料理にはばっちり合います。
甘みと粘りが好きならジャポニカ米、さっぱり感と香りが好きならインディカ米がおいしい、と言えるでしょう。
炊飯器なしでもお米を炊く裏技
インディカ米は鍋で茹でるだけに対し、ジャポニカ米は炊飯器を用意しなければ炊けない印象があり、手軽さではインディカ米が上と感じる部分もあるのではないでしょうか。
しかし、ジャポニカ米も圧力鍋を使うことでおいしく炊くことができます。インディカ米と比べるとザルで水を切る工程がいらない分、洗い物が減るのでおすすめです。
ジャポニカ米をおいしく炊くには蒸しが命。圧力鍋は蓋をすることで水の沸点が引き上がり、温度を短時間で120℃まで引き上げることができます。そのおかげで5分で炊き上げ、10分で蒸らすといった炊飯器の早炊き機能に匹敵する早さでお米が炊けるのです。
圧力鍋でご飯を炊くメリットは、大きく分けると4つです。
- 短時間で炊ける
- お米が残り少なくても量を気にしなくて良い
- 光熱費が安くなる
- 丸ごと洗える
また、圧力鍋で炊いたジャポニカ米は、炊飯器で炊くよりももっちりしていて甘みも際立つので、よりおいしく手軽に食べるという点で、圧力鍋での調理がおすすめです。
圧力鍋を使ったお米の炊き方で、一例をご紹介します。
- 米を洗って水気を切り、圧力鍋に米、水を入れて30分ほど漬けておく。
- 米を強火で熱し、圧力がかかってきたら弱火にして3分加圧。
- 火を止めて10分蒸らす。10分経ったら鍋から蒸気を抜き、圧力が下がるまで置いておく。
- 炊けたお米をかき混ぜて、完成。
この方法だと、実は炊飯器の早炊き機能よりも10分ぐらい早く炊けるので、炊飯器を買うかどうか検討をしている料理好きの方は圧力鍋を選んだほうが良いかもしれません。
日本のお米を買う方法
お米を海外で買いたいとき、地域によってはインディカ米しかないところもあります。
ジャポニカ米を取り扱っている店舗が無ければ、通販サイトを利用するのがおすすめ。お米は重く持って帰るのが大変な食材でもあるため、頼んだら待っているだけの通販サイトと非常に相性が良いですが送料は注意しましょう。ジャポニカ米は、5kgや10kgと分けて売られているものが多く、自分に必要な量を必要なだけ購入しやすいのも嬉しいポイントです。
特におすすめの品種は、「にこまる」と「ヒノヒカリ」です。
にこまるは、お米の1粒1粒がきれいに揃っているのが特徴で色白。炊きあがりもふっくらしていて、つやの良さも非常に食欲が刺激されます。肝心な食感ももちもちしていて、味も噛まずともほんのり香る甘みとうま味が広がります。ジャポニカ米の持っている持ち味を最大限に味わえるため、日本国内でも人気がある品種です。
ヒノヒカリは、日本では定番の品種であるコシヒカリと黄金晴をかけ合わせた品種で、少し長めの粒が特徴。柔らかく厚みがありながらも、あっさりした味わいで食べごたえがあるため、どんな料理にもよく馴染みます。
インディカ米と少し特徴が似ているかもしれませんね。ジャポニカ米は気になっているけど、インディカ米と比べて少し抵抗がある方は、ヒノヒカリであればしっくり来るかもしれません。
にこまるとヒノヒカリは、下記から買うことができます。
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