一度、思いをあらたにして政宗とはどういう人間であったかを、
時間をかけて考えてみたい気がする。――著者
名将 伊達政宗はなぜ天下を取れなかった「?遅れてきた英雄」に思いを馳せる表題作など、全7編。
戦国の争乱期に遅れて僻遠の地に生まれたが故に、奥羽の梟雄としての位置にとどまらざるをえなかった伊達政宗の生涯を描いた『馬上少年過ぐ』。英国水兵殺害事件にまきこまれた海援隊士の処置をめぐって、あわただしい動きを示す坂本竜馬、幕閣、英国公使らを通して、幕末の時代像の一断面を浮彫りにした『慶応長崎事件』。ほかに『英雄児』『喧嘩草雲』『重庵の転々』など全7編を収録する。
【目次】
英雄児
慶応長崎事件
喧嘩草雲
馬上少年過ぐ
重庵の転々
城の怪
貂の皮
文庫版のために
著者の言葉
政宗の生涯は、悪謀と譎詐(きっさ)、華やかながらも見えすいた自己演出に満ちている。しかも政宗の複雑さはそれらの悪が性格の暗い部分から出ているのではなく、悪をやってみせるという一種の才華から出ており、ぜんたいとしては陽気であかるい。かれがもしその所業にふさわしい陰気さを印象としてひとに与える男であったならばひとびともついて来なかったろうし、かれをつねにおさえつづけた秀吉や家康もただでは済まさなかったにちがいない。(本書「文庫版のために」)
本書収録「馬上少年過ぐ」より
「馬上少年過(すぐ)」
老人が晩年につくった高名な詩の第一句である。
馬上少年過ぐ
世平らかにして白髪多し
残軀(ざんく)天の赦すところ
楽しまざるをこれ如何(いかん)せん
この老詩人が、伊達政宗である。
梟雄(きょうゆう)といわれた。梟はふくろう。あるいはタケダケシ。辞書を繰ると、そういう意味がある。……
司馬遼太郎(1923-1996)
大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を一新する話題作を続々と発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞を受賞したのを始め、数々の賞を受賞。1993(平成5)年には文化勲章を受章。“司馬史観"とよばれる自在で明晰な歴史の見方が絶大な信頼をあつめるなか、1971年開始の『街道をゆく』などの連載半ばにして急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。
商品番号 | 4101152241 |
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