今作の舞台はSFC版『風来のシレン』の後ということで、SFC版で登場した懐かしいキャラが再び登場している。ペケジはあいかわらず大喰らいで役立たずだし、お竜姉さんはカッコいいし、もう『シレン』シリーズファンにはたまらないストーリー展開なのだ。プレイした印象もSFC版に近い。一度エンディングを迎えた後に登場するダンジョンも、好評だったアレが復活（どんなダンジョンかはヒ･ミ･ツ）。N64版『シレン2』のキャラやシステムも追加されており、これまでのシリーズのいいところを全部集めた集大成と言えるだろう。これまでの『シレン』、特にSFC版にハマった人なら、間違いなくもう一度ハマるはず。しかも、どこでもプレイできちゃうGBだから、より中毒度が高い。ちなみに難易度だが、これまでのシリーズをやり込んだ人なら、よほど運が悪くない限りエンディングまで一度も力尽きずに行けるだろう。もちろんエンディング後は、手ごわいダンジョンが待ち受けている。 もちろん、今作からの初登場のシステムもあり、そのひとつが通信対応だ。これまではダンジョンで力尽きたらそこで終わり、アイテムを残すことはできてもダンジョンの外に連れ出されてしまったのだが、今作では、通信で他のプレイヤーに助けてもらうことが可能になったのだ。助けてもらった後は、その地点から続けてプレイできる。通信ケーブルで接続しなくても、「じゅもん」（パスワード）を入力することで救助に向かうことができるので、メールや電話で「じゅもん」を知らせて助けてもらい、「ふっかつのじゅもん」を教えてもらって復活する、なんてことも。自宅でひとり仕事をしている身としては、周りに人がいないので直接通信ケーブルでつなぐ必要があるのは結構辛いのだが、これならメールで頼めるので非常に助かる。夜中コツコツとプレイしていたらうっかり力尽きちゃった、なんて時も電話すれば助けてもらえるし、これはホントに便利。ケーブルを接続してのアイテム交換も楽しい。 そしてもうひとつの新要素がアイテムの相性。武器、盾、腕輪の組み合わせによってさまざまな効果が生まれるのだ。アイテムの合成もこのゲームの楽しみのひとつなのだが、それに相性という要素が加わってますます奥が深くなったと言える。というわけで、ゲーム内容に関しては文句ナシなのだが、贅沢を言うと、GBA専用ソフトとして出してほしかったな。 （電撃王2001年9月号）