長文堂(Chobundo)のなつめ鉄瓶です。縦長の形状と灰色がかった黒色が特徴です。同じ長文堂のなつめ(小)鉄瓶より0.4L多い、容量1.2Lです。5名以上など大人数でお茶を飲むのに、最適な容量です。蓋のつまみは、梅の花の形です。
なつめ鉄瓶は60年前に長文堂の初代によってデザインされ、現在まで長く愛される、長文堂の看板商品です。煎茶や中国茶を淹れるにはもちろん、コーヒーを淹れるのにも良い鉄瓶です。
長文堂(Chobundo)は70年以上続く、鉄瓶の鋳造所です。現在は三代目の長谷川光昭さんが、全ての鉄瓶を手作りしています。長文堂の鉄瓶の特徴は、鉄瓶表面の美しさと、内面の滑らかな漆仕上げです。
1952年 創業
1974年 鉄瓶の伝統工芸品指定に伴い、鉄瓶・茶釜の制作に専念
1980年 砂鉄製鉄瓶の制作開始
1994年 通商産業大臣日本伝統工芸士認定 (二代目)
2009年 東北経済産業局長賞受賞
2016年 経済産業大臣日本伝統工芸士認定 (三代目)
伝統工芸日本金工展、山形鋳物伝統工芸展などの受賞歴、東京日本橋の高島屋百貨店の茶の湯釜展への出展多数
鋳型に鉄を流し込み、鉄瓶は作られます。鉄を1500℃の高温で溶解し、鋳型に流し込む作業は「注湯」と呼ばれます。火花が散る迫力がある作業風景なので、とても印象に残ります。(画像11枚目と12枚目)
しかし、鉄瓶の工程で最も大事な部分は、鋳型作りです。鋳型作りが、作業全体の半分以上を占めます。精度の高い鋳型を作るには、繊細で丁寧な仕事が求められます。良い鋳型は、良い鉄瓶に必須です。(画像14枚目と15枚目)
ちなみに、縦長の鋳型は線が曲がる可能性があるため、美しい形状に仕上げることが難しいです。そのため、縦長の鉄瓶を作るには、高い技術が必要です。
一般的に鋳型は複数回使われ、使うたびに摩耗します。長文堂(Chobundo)は鋳型を複数回使わず、毎回新しい鋳型を作ります。新しい鋳型を作るには大変手間がかかりますが、表面の質感が良く、美しい鉄瓶を作ることができます。
鉄瓶表面には漆、内面には生漆を焼き付け、鉄瓶が錆びないよう加工します。漆の塗膜が剥がれないよう、鉄瓶を加熱し、漆の上からお歯黒(酢に鉄を入れ、緑茶と混ぜた液体)を塗ります。漆とお歯黒で防錆処理することは、昔からの伝統技法です。(画像13枚目)
鉄瓶表面は、灰色がかった黒色ですが、使ううちに光沢が出てきます。漆の茶色が少しずつ表面に出始めます。鉄瓶は使う人とともに時を重ねる道具であり、長く使う楽しさがあります。
鉄は貴重な資源であるため、山形鋳物は薄く、丈夫になるよう工夫されました。そのため、精度が高い鋳型を作る技術が発展し、山形鋳物は「薄肉美麗」(鉄瓶が薄く、形状が美しい)を特徴とします。
長文堂(Chobundo)の鉄瓶の厚みは約2.5mmで、他の産地の鉄瓶より軽く、持ちやすいことが利点です。およそ50年間使えると言われ、昔から鉄瓶は家族代々受け継がれて来ました。道具を大切にし、日々丁寧に暮らしたい方へおすすめの鉄瓶です。
作り手: 長文堂 (山形鋳物)
サイズ: 全長約18cm(注ぎ口含む)、高さ(把手含む)約23.5cm、胴体高さ約15cm、底直径約10cm
色: 黒
素材: 鉄
容量: 使用容量1.2L (満水容量1.5L)
重さ: 約1.4kg
製造国: 日本
梱包: 紙箱
熱源: 直火 可、 IH調理器 可
(IH調理器の種類により、まれに上手く加熱出来ない場合があります。その際は、市販されている円盤状の金属アダプタをお使いください。)
備考: 食洗器非対応。把手は倒せません。
満水容量まで水を入れて使うと、吹きこぼれてしまうため、使用容量以下の水量でお使いください。
湯を沸かす時、鉄瓶の把手は熱くなります。乾いた布で、把手を掴んでください。
1.鉄瓶内にお湯を残さず、注ぎ切る
2.使用後は蓋を外し、余熱で鉄瓶を乾かせる
3.洗剤を使わず、水で洗う
鉄瓶の使い方は難しくありません。沸かしたお湯は使い切り、鉄瓶が熱いうちに蓋を外し、余熱で乾燥させることが大事です。
使い続けると、鉄瓶内部に自然と湯垢(白色や赤茶色)がつきますが、これは錆びではありません。湯垢は、水の中の石灰分や鉄分が付着して出来るものです。鉄瓶が水の不純物を吸着することで、水の味を滑らかにします。
鉄瓶の内側と外側は、漆で防錆処理されているので、たわしや硬いスポンジで、鉄瓶を擦らないでください。
鉄瓶内部に残った水は、錆びの原因になります。鉄瓶は使用中以外は、乾燥した状態が理想的です。もし水に鉄の味がする場合や、水が濁っている場合、内部に錆びが生じている可能性があります。鉄瓶に水と茶葉を入れ、弱火で数時間沸騰させることで、錆びを軽減出来ます。
山形鋳物の歴史は古く、発祥は平安時代後期(西暦1100年頃)まで遡ります。山形市内を流れる川の砂と、付近の土が鋳型制作に適していることから、鋳物作りが始まりました。
「薄肉美麗な山形鋳物」
茶釜から発展した山形の鉄瓶は、現在も茶道で使われ、伝統的な模様、昔ながらの漆による表面仕上げが特徴です。鉄瓶の厚みがやや薄く、軽いため、使いやすい点が、現代生活において重宝されています。
長文堂(Chobundo)は、1952年創業の鉄瓶鋳造所です。昔ながらの伝統技法にこだわり、ひとつずつ、丁寧に手作りしています。鋳型作りの技術が高く、鋳肌(鉄瓶の表面)が美しい鉄瓶を作り続けています、鉄瓶の漆の塗り直しなど、鉄瓶のメンテナンスにも対応しています。
商品番号 | T017 |
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発送重量 | 2000 g |
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