【猫の手のように小さいパン屋のおはなし】
小さなパン屋さん「ネコノテパンヤ」がある町は、霧に包まれていました。お母さんが配達に出かけたので、ネコノテパンヤのななえちゃんは、一人でお店番。すると、帽子を深くかぶったお客さんがやってきました。そのお客さんをよく見ると、「えっ、もしかして猫」。?お客さんの帽子の下から、長く伸びたひげが見えました。つぎつぎに猫のお客さんがやってきて、うれしそうにパンを買って帰ります。想像力豊かな心の旅ができる絵本です。
【え?もしかして ねこ?】
お店番をしている ななえちゃん のところにくるお客さんは少し様子がおかしい。フード付きのコートの下から しっぽが みぎひだり。次のお客様はマスクをしているのに猫耳があらわになっていたり。「ねこだよね」と確信しながらも温かく見守っているパン屋さんの心遣いにほっこりします。
【美味しそうなパンの数々】
プリンみたいな味がするクリームパン
ツナとマヨネーズをはさんだサンドイッチ
メロンパン
クロワッサン
フレンチトースト
ピザ
ベーコンエピ
バターロール
しょくパン
フランスパン
などがイラストでも登場します!
【映画のような素敵な景色】
霧に包まれかすんで見える街並みは、とっても素敵な景色です。絵本の舞台になった尾道には猫が大勢住んでいて、「ネコノテパン工場」という小さなパン屋さも実在しています。
【作者のコメント】
大林宣彦監督の映画『転校生』や『さびしんぼう』の舞台になった坂と猫の町、広島県尾道市に『ネコノテパン工場』という名前の小さなパン屋さんがあります。『ネコノテパンヤ』の下書きを持って尾道駅を降りると、目の前に映画で観た尾道水道と向島の光景が広がっていて…感激でした。迷路のような坂道を猫の写真を撮りながら、やっと小さな『ネコノテパン工場』に着きました。どのパンもおいしく、霧の中から不思議なお客さんが買いに来るお話にぴったりのお店でした。その後、タイトルの『ネコノテパンヤ』使用の承諾をもらいに再び尾道に行き、パンを買って帰りました。大好きな尾道の絵本ができて、とってもうれしい! (高木 さんご)
「尾道の坂道に小さなパン屋さんがあってね、そこを舞台にお話を書きたい。」と、高木さんが言った。話を聞いているうちにそのパン屋さんに行ってみたくなって、出かけて行った。細い路地の坂道の途中に古い家屋のパン屋さんがあった。『ネコノテパン工場』。畳一畳分のスペースが店舗で、おいしそうなパンが並んでいた。おまけにお店のまわりには、なん匹も青空ネコが寝そべっている。絵本の中のパン屋さんは、なんとも魅力的な舞台だった『ネコノテパン工場』をできるだけ再現するべくスケッチしたものです。(黒井 健)
【対象年齢:2歳 3歳 4歳からの絵本】